現在北海道に残っている路線
- 函館本線(函館-旭川)
- 根室本線(滝川-富良野、新得-根室)
- 千歳線(白石-沼ノ端、南千歳-新千歳空港)
- 室蘭本線(長万部-岩見沢、東室蘭-室蘭)
- 石勝線(南千歳-新得)
- 北海道新幹線(新青森-新函館北斗)
- 富良野線(富良野-旭川)
- 留萌本線(深川-石狩沼田)
- 宗谷本線(旭川-稚内)
- 釧網本線(東釧路-網走)
- 石北本線(新旭川-網走)
- 札沼線(桑園-北海道医療大学)
- 日高本線(苫小牧-鵡川)
のうち、最後まで残っていた札沼線の末端、北海道医療大学駅とその一つ手前の当別駅とのわずか3kmを先日9/6に乗り終えたことでJR北海道の路線は完乗となった。
初めて北海道に来たのが2021年の3月だったので、約4年半かかった。ひとまず鉄道に対しての未練はもうない。北の大地の入場券は鉄道のみで全て集めきったし、私の財布の中には在りし日のラブパス(HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス)や、根室本線が分断される前に作った環状切符、今はなき留萌本線の留萌駅から地元までの長距離片道切符がお守り代わりに入っている。本当によく利用していたと思う。

特急おおぞらが全車指定席になってから鉄道を利用する機会がめっぽう減り、車中心になってしまった私の旅。久々に石狩平野の田園の中をのどかに進む北海道らしい車窓に接して、列車旅の良さを改めて知った気がする。次の旅はJRでもいいかもしれないな、とも思った。
車掌のホイッスルでドアが閉まり、列車は西陽のかかる当別駅を定刻通り発車する。6両繋がれた車内には自分の他に大学生しかいないようだ。遂に完乗かと身構えていると、駅を出るなり「まもなく終着…」とアナウンスが入る。呆気ないな、と思った。加速もままならないうちにスピードが落ちていき、駅手前の分岐器を跨ぐ車輪の音を合図に周りの学生が立ち上がる。彼らはみなドアが開くと同時にホームに降り、大学に通じるほうの改札に吸い込まれていった。
私が続けてきた鉄道旅の終点は、辺鄙ではあるが秘境とも呼べない場所にある、千鳥式2面2線のホームをたたえた何の特徴もない駅だった。最北の稚内やこの先に続いていた新十津川などがこの役目を担っていれば多少の実感が湧いたのだろうがそれもない。無人の自動改札を抜けて駅舎を撮り、帰りの切符を買って”札幌”の方向幕に切り変わった列車に乗り込む。私以外に乗客はいない。この夕暮れ時の一人という贅沢が、私に手向けられたささやかな祝福だったのだろうか。クロスシートに身を預け、ぎこちない達成感に耽ることにした。