衝撃的な資料が目に飛び込んできた。

このリストは”消滅可能性都市”、すなわち2050年までの30年間で人口が急減し、最終的に消滅するおそれのある自治体を掲載したものだ。それによると、道内にある179市町村のうちの117、実に65%以上の自治体がこれに該当するという。

夕張や歌志内などの元炭鉱都市や地理的に不便な場所が該当するのはまだ予想がつくにしても、函館、小樽、釧路の3都市はかつて(現在も)道内各方面で中枢を担っていただけに衝撃的。

この発表を受けて今後各自治体とも様々な手を打つことが予想されるが、多少ペースを抑えることができても最早流れ自体を止めることはできないだろうと思う。

大前提として産業(仕事)があるから人口が増えて街が発展するのであって、単にイメージが良いというだけで人は集まってこない。私が住んでいた釧路市は、かつて製紙・漁業・炭鉱の三本柱を主軸とし、その受け皿たる下町が発展することで1970年代の人口は20万をゆうに超えていた。しかし今や製紙工場は巨大な廃墟を残して次々と倒れ、炭鉱もほぼ閉山し、漁業も最盛期と比べると惨めなほどに衰退した。そこで働く人を相手に商売していた下町の光景は目を覆いたくなるほど悲惨だ。かろうじて開いている喫茶店に入ってみても、出てくる話は思い出ばかり。未来の話が全く出てこない。そんな都市に、誰が希望を見出し、住み続けようと思うのだろうか。現在の釧路市の人口は15.5万まで落ち込んだ。

いつまで悠長に”街づくり”などとのたまっているのだろう。人が消え、やがて日常生活すらもままならなくなる破綻した未来が、すぐ目の前まで迫っているというのに。

こう言ってみたところでおそらく結末は変わらないし、そんな将来を憂うぐらいなら各都市が生きている今のうちに存分に旅をしておきたい。

この発表を受けて自分ができることは各都市の”今”を記録していくことだ。懐かしむためではなく、自分を魅了してやまなかった土地が、確かにそこにあったことを留めておけるように。